私たち人間が「怒る」という意味と、仏さまが「怒る」というのでは意味が違う。仏さまの怒りは、
「なんとかして人々を救わねば、ムム‥‥」
という慈悲の心の表われで、正義のための怒り。この気持ちが強ければ強いほど「怖い顔」になってしまうんだ。つまり、神将さまたちは、私たちの周りの敵とか心の中に住む敵を、
「さっさと、あっちへ行けー!」
と追い払うために、わざと怖い顔をしているんだ。だから神将さまの顔が怖くても、こわがったりしちゃいけない。真剣勝負に徹した顔であり、姿なのである。
「いつもいつも、私たちのためにそんな顔をさせてしまって、すみませんねぇ」と思ってあげよう。
12神将にも素顔ってあるのかな。自分の好きな人の前では、優しい顔になったり、妙にデレデレした顔になったりするのかな。
24時間働きづめの彼らには、ほかの顔をしている時間なんてないのかもしれない。だとしたらなおさら、心の中で
「すみませんねぇ。『おかげさまで』私の幸せのために自分の幸せまで犠牲にしてくれて。ほんとに感謝してるんですよぉ。」なんてあいさつしたいな。
 すると12神将も「お〜い」とこだまするように、「いいえ、あなたの幸せのためなら一生懸命働き続けます」と。きっと、このように答えてくれると思うよ!