このカルデア人には「神官占星術師」という職業の人たちがいた。彼らの仕事は、高さ90メートルもあるという望楼(聖書に出て来るバベルの塔もその一つ)の頂上に居座って空の様子を眺め、そこから導き出した予言を王様に伝えるというもの。現代にたとえるなら東京タワーや通天閣のてっぺんで予言して総理大臣に進言するって感じかな。当時は国の運命や、支配者である王様の運勢を知るために占星術が行われていたんだ。時には、農作物の出来、不出来なんかも占っていたのかもしれないわけ。この時代の占星術は、まだ個人が利用するものではなく、権力者のためのものだった。権力を持った人間っていつも、いいものは自分だけで一人占めして、みんなには分けてくれなかった。
さてさて、このカルデア人の占星術を機に、世界各地でそれぞれの土地の特色と結びつき、それぞれの考え方が盛り込まれたいろんな占星術が、次々と誕生して来たのである。
ところで、幻惑的な都市国家アラブ首長国連邦(UAE)のドバイは、09年11月、政府系企業の信用不安を契機とした「ドバイ・ショック」により、世界的に株式相場が急落した。
しかしながら、Shock(ショック)もバブルも、アブダビの支援で当面の危機は回避されたようである。
そして、バベルの塔の9.2倍、828メートルの世界一の高層塔、バブルの塔じゃなかった「ブルジェ・ハリファ」(アブダビ首長国ハリファ首長の塔)が2010年1月4日に完成した。
もしかしたら、この塔で占星術師たちは、ドバイの運命、支配者の運勢を塔の天辺で空を眺め占っているのかも知れない‥‥?いつも晴れていればいいのだが‥‥!